読書日記

[読書日記のトップ] [トップ]

町田康

どくどくの語り口調による小説にはぐいぐいひきこまれます。
シニカルにナンセンスにリズミカルな口調で、世相を斬る?
最近かなりお気に入りです。




くっすん大黒 町田康
どうでもいいことに一生懸命にこだわり、あからさまに失敗することをあえて行い、その過程の愚かさを十分に理解していながら、せざるを得ない。
そんなどうでもいい人をシニカルに滑稽に描きだしている。
けっこう楽しく読める小説だが、実はとても暗い小説なのかもしれない。
お勧め度:
ページの先頭へもどる ▲

夫婦茶碗 町田康
「くっすん大黒」よりもよりパワーアップした感じ。
炸裂する自虐的なボケ。あるいは身体を張ったギャグ。
本人が大まじめなのが手に負えない。
しかし、そう思っていないとこの世知辛い世の中では生きていけないのだよ。
お勧め度:
ページの先頭へもどる ▲

爆発道祖神 町田康
町田節炸裂しまくり。
虚実入り乱れたエッセイ調の文章が意味深な写真とともに紹介される。
一つ一つの話は見開きで収まるくらいに短い話なのだが、そこに町田ワールドが濃縮還元で展開されてる。
お勧め度:
ページの先頭へもどる ▲

きれぎれ 町田康
すげー。町田康すげー。
自意識過剰でコンプレックスを抱えているダメだしくんな主人公。
それゆえに彼はでたらめな放蕩生活をしているわけだが。
その救いのない現状の中から逃げ出すように錯綜する白昼夢。見果てぬ夢。
そこであがく主人公は独特の語り口調もあり、ひどく滑稽に見える。が。
彼の目を通してかいま見えるのは、世の中の(あるいは人生の)愚かしさとはかなさ、そしてそれゆえの美しさなのだった。
なーんちゃって。
個人的には現代版の「地下室の手記」だと思っているのですが、どうでしょう?
お勧め度:
ページの先頭へもどる ▲


[読書日記のトップ] [トップ]
Last modified: Fri Dec 13 10:51:19 LMT 2002