読書日記

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辻仁成

いい意味でも悪い意味でも文章が男くさい感じがしますな。
文章が内省的な印象をうけるが、著者のまっすぐさの現れなのだろうか。




冷静と情熱のあいだ Blu 辻仁成
江國香織の「冷静と情熱のあいだ Rosso」とセット。
Rossoの方が視点が割と「今」なんだけどBluの方は「過去と未来」だなぁと思った。
だからなんとなくBluの方が女々しいというか、こう過去を引きずってるなぁという印象。
Rossoはどことなく現実的である意味ドライ。
それが小説の人物がそうなのか、単に二人の小説家の物語に対するスタンスの違いなのかはよくわからじ。
あるいはただ単に、一般的に女性は現実的で男性はロマンティストだっていうのが当てはまっているだけなのだろうか。
物語としてはちょっと出来すぎのような気もするが、素敵な小説が読みたい人にはお勧めかも。
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愛と永遠の青い空 辻仁成
真珠湾攻撃に参加したこともある元パイロットの主人公。
妻の自殺の原因、自分の中でいまだに決着していない「戦後」。いろいろな気持ちを抱えたまま生きている。
二人の戦友と再会した時、戦友の1人の「真珠湾へ行くばい」との提案で3人はハワイへ向かうこととなる。
死んだ妻の日記を紐解きながら、ハワイでの元アメリカ兵との交流の中で物語は進む。
頑固で無骨な愛国者の彼が自分の中の戦後に、そして自分の青春に決着をつけようとする。
あの戦争はいったいなんだったのか。どうして自分は妻をもっとわかりやすい形で愛せなかったのか。
後半、やや過去に引きずられた感じがして主人公像が若干女々しくなりがちだが、あらすじ的にしょうがないのか。
クライマックスは結構いい感じで泣けるのでよし。
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白仏 辻仁成
う〜ん、いい小説。
「生」とか「死」とかを小説の主題においているわりには堅苦しくもなく重苦しくもなく。
むしろすごく読みやすい。
激動の時代(日露戦争から戦後まで)を主人公がたくましく生きていく姿がとても読んでいてすがすがしい。
生きるって、とっても素敵なことだなぁ、としみじみ感じて涙しちゃう一冊。
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99才まで生きたあかんぼう 辻仁成
これはどういうジャンルになるんだろう?ノリ的には絵のない絵本ですかね。
しかし、辻仁成の本は人間に対する深い愛情を感じていいですね。基本的に性善説な人なんだろうね。読んでて幸せな気分に浸れる本ですな。手元に一冊おいておくといいかも。
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Last modified: Thu Feb 19 01:18:34 JST 2004